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バイオサイエンスの光と影 9784862511010(オンデマンド版)

2,000円(内税)

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著者名:森岡一(著)
出版社:三和書籍
ISBN:978-486251-101-0 / (オンデマンド版)
ジャンル:科学・テクノロジー
配信形式:PDF

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価格:¥2,100

価格(オンデマンド版<紙の本>):¥2,812

バイオテクノロジーの発達によって生命現象が発明とみなされるようになり特許として権利化されたが、これは生命の「囲い込み」に他ならない。本書では、生命の囲い込みによる弊害、すなわち研究活動の阻害や途上国の医薬品価格への影響、遺伝子組み換え植物を販売する企業が農民に与える苦悩など、さまざまな問題を多くの事例で紹介する。それを通して、科学の発展のありかたと産学連携、オープンイノベーションを論じる。

見出し・奥付など
目次

はじめに

第一部 生命現象の特許化がもたらす問題とは
第1節 初の微生物特許チャクラバティ事件   
  ・生物体が特許として最初に認められたチャクラバティ事件
・チャクラバティ特許の審査と裁判
・進歩する科学技術による知的財産法の拡大解釈への圧力
・時代の進歩に法律を適応させるのは政治である
・チャクラバティ事件は生物特許審査基準を変えた
・チャクラバティ事件の社会的影響
第2節 患者細胞特許ムーア事件
・患者の一部を特許化しても、患者に特許の所有権はないとしたムーア事件の教訓
第3節 カナバン病遺伝子特許事件
・患者が自身の試料を譲渡した場合の所有権の帰属
第4節 遺伝子組み換えマウス特許事件
・がんマウス特許をげっ歯類に限定して認めたEPO裁定
・カナダ最高裁はがんマウスについて組成物特許を形成しないと判断
第5節 乳癌遺伝子特許ミリアド・ジェネティックス事件
・乳癌・卵巣癌遺伝子BRCA1とBRCA2特許を巡る紛争
・公共の福祉に貢献すべき遺伝子診断特許の特許権行使のありかた
・ミリアド・ジェネティックス遺伝子特許裁判判決のもたらしたものと今後の展開
第6節 合成生物学特許の展望
・合成生物学の知的財産による囲い込み

第二部 ライフサイエンス分野の特許権行使のありかた
第1節 リサーチツール特許とパテント・トロール活動
・パテント・トロール活動は特許の流通・活用を妨げる
第2節 アッセイ方法特許ハウジー事件
・日本企業に強引にライセンス活動をしたハウジー製薬
第3節 核内因子NF─κB特許アリアド事件
・アリアドによるNF─κB特許のライセンスと訴訟
・生命の基本反応に関わるNF─κB特許の活用のありかた
第4節 がんマウス特許浜松医大事件
・リサーチツール動物特許による公共研究機関での実験の禁止請求
第5節 ケモカイン受容体CCR5特許事件
・ケモカイン受容体CCR5をリサーチツールとして用いた小野薬品に対する訴訟
第6節 リサーチツール特許問題の残したもの  
・スクリーニング特許は「使用方法」の発明である
第7節 炭疽菌治療薬シプロ供給と公共の利益
・米国バイ・ドール法マーチ・イン条項における「公共の利益」の判断
第8節 公共の利益とバイ・ドール法マーチ・イン条項
・バイ・ドール法マーチ・イン条項とは
第9節 マーチ・イン条項とセルプロ血液幹細胞採取方法事件
・セルプロの血液幹細胞採取方法を巡るマーチ・イン条項の発動検討
第10節 マーチ・イン条項と抗エイズ薬ノルビア事件
・アボットの抗エイズ薬ノルビア(Norvir)の価格引上げに対するマーチ・イン条項発動検討
第11節 マーチ・イン条項と緑内障治療薬ザラタン事件
・ファイザーの緑内障治療薬ザラタン(Xalatan)のケース
第12節 公共の利益と強制実施権行使の条件
・NIHがバイ・ドール法マーチ・イン条項を発動する条件
・日本版バイ・ドール法第三〇条および特許法第九三条の運用
第13節 医薬品アクセスと強制実施権
・医薬品アクセスのための政府の強制実施権行使は公衆衛生確保のために必要
第14節 タイの医薬品強制実施権と抗エイズ薬供給
・タイの医薬品特許強制実施権行使と公共の利益としての公衆衛生
・医薬品に対する強制実施権行使のための条件
・公共の利益のための強制実施権発動の条件
第15節 抗エイズ薬の開発途上国への低額供給(新しい試み)
・ビル&メリンダ・ゲイツ財団
・クリントン財団
・UNITAID
第16節 農民の権利とバスマティ米特許事件
・伝統的農業の改良技術が特許化で独占されるバスマティ米特許
第17節 遺伝子組み換え植物を巡るモンサント・ラウンドアップ事件
・モンサントのラウンドアップ耐性遺伝子組み換え穀物特許の権利行使は農民の権利を奪う
・米国モンタナ州で議論されている農民の権利保護法案

第三部 科学の発展とオープンイノベーションへの道
第1節 パテントプール
・協働的知的財産管理としてパテントプールをライフサイエンス分野に導入可能か
第2節 産学連携のありかた
・産学連携における知識移転の基本問題
・ライフサイエンス分野の3つの最も著名な基本特許の活用事例
・大学などの研究機関の権利行使による行き過ぎた利潤の追求
・特許活用に関する研究開発現場の考え方
・大学など公共機関研究に対する「試験又は研究」の例外規定の考え方
第3節 オープンイノベーションへの道
・「死の谷」を乗り越えるための特許活用と産学連携
・ライフサイエンス分野の新しい産学連携を実行するための特許権活用のありかた
第4節 クリエイティブ・コモンズのありかた
・クリエイティブ・コモンズとは
・ライフサイエンス分野のイノベーションの方向性を示すコモンズ思想
・スティグリッツの見解
・サルストンの見解
第5節 科学の進歩促進のためのフリーアクセス運動
・人道的観点からのライフサイエンス成果のフリーアクセス運動
・SIPPI(公共のための科学と知的財産)
・オープンメディスンイニシャティブ
・EPPA(エイズのための必須特許プール)
第6節 農民の権利と農業分野のフリーアクセス運動
・CAMBIA
・PIPRA(農業のための公共知的財産)
・EPIPAGRI(農業用バイオテクノロジーに対する知的財産権のヨーロッパ集合的管理を目指して)
・AATF(アフリカ農業技術財団)

おわりに
発表論文

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