漫画「メイドインアビス」のイルミューイは、成れ果て村に深く関わり、ヴエロエルコ(ヴエコ)の回想で登場する少女です。
可愛い見た目に反し、イルミューイの度し難い赤ちゃん出産シーンは、多くのファンを震撼させました。
作中でターニングポイントとなる欲望の揺籃は3つ登場していますが、イルミューイの願いとは、何だったのでしょうか？
ヴエコとの関係が、どのように欲望の揺籃に影響を及ぼしたのかも気になります。
そこで本記事は、漫画「メイドインアビス」に登場するイルミューいの願いとは、なんだったのか徹底考察！
過去の赤ちゃんの出産やヴエコとの関係も紹介していますので、原作漫画をまだ読んでいない人は、ぜひ以下よりお得に揃えてみてください。
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イルミューイとは？
イルミューイとは、南海ベルオスカの孤島の先住民です。
独自の言語を用いており、のちにアビス内の遺跡から見つかる絵文字(悠遠の文字)の読み書きが可能。
イルミューイの背中に入っている4つの刺青には、それぞれ以下の意味があります。
- 儀式の子、奈落の子
- 赤子/魂の形、不可能
- 月が消える夜、月のない闇
- 大穴に還る、捧げられる
仲間や家族から迫害されていたイルミューイは、ガンジャ隊の案内役としてショウロウ層にある黄金郷に辿り着きました。
イルミューイが迫害された理由について、次で詳しく紹介していきます。
イルミューイの過去！子供ができない身体で大穴に追放
子供ができない身体のイルミューイは、大穴に追放されていたと過去回想で判明しています。
南海ベルオスカ孤島の先住民の間では、たくさん出産できる女性の地位が高く、黄金郷の住人にならって、一人前になった証として身体に模様の墨を入れる風習がありました。
子宝に恵まれたイルミューイの母親は偉い人でしたが、女児は1人だけであり、イルミューイは兄たちにとても可愛がられて育ちます。
ところがイルミューイは子供ができない身体だと発覚し、大穴が産んだ呪いと考えられて捧げ物の印が刻まれました。
子供ではないと実の家族から突き放されたイルミューイは、呪いが大穴へ帰るよう追放されます。
行き場をなくしたイルミューイは、大穴へ挑むガンジャ隊のあとをつけ、案内役として仲間入りしました。
イルミューイの赤ちゃん出産シーンに激震が走る
子供ができない身体のイルミューイですが、ガンジャ隊の見つけた欲望の揺籃を使用し、奇妙な赤ちゃんを出産するようになります。
別名「願いを叶える卵」と呼ばれる欲望の揺籃は、雑念の多い大人の利用には向かない代物です。
ヴエコの進言を許可したワズキャンは、少女のイルミューイにガンジャ隊の期待を背負わせ、欲望の揺籃を使いました。
原生生物「水もどき」の寄生症状に苦しんでいたイルミューイは、欲望の揺籃で一命を取り留めますが、胸から子供を産むようになります。
うさぎのような見た目をした子供は、イルミューイがショウロウ層で可愛がっていたヤドネにそっくりです。
人間とは思えない子供を出産したイルミューイですが、自分の赤ちゃんと認識し、2回目の誕生には”ふたりめ”と表現しています。
踏みにじられたイルミューイの願い
イルミューイは子供を産む度に愛おしそうに抱きしめますが、願い虚しくワズキャンの手で踏みにじられます。
単為生殖によるイルミューイの出産は、消化器官のない子供が誕生し、翌日まで生きられません。
毎日のように誕生する短命なイルミューイの子供は、次第にワズキャンの手にかかってガンジャ隊に利用されました。
ファンの間で”お子様ランチ”と例えられているワズキャンの非人道的行為については、こちらの記事をご覧ください。
関連記事：メイドインアビスのワズキャンがやばい！目的や揺籃考察と最後の粉を解説
願いを蝕まれるイルミューイ
体調を崩し始めたイルミューイは、2つ目の欲望の揺籃によって、さらに願いを蝕まれていきます。
天の囁きにも受け取れる預言者ワズキャンの言葉が、イルミューイに届いたのかもしれません。
ガンジャ隊の水もどき症状回復に貢献する頃のイルミューイは、面影もないほど肥大化して、ヒトの言葉を失っていました。
それでも出産を続けては、涙を流して愛おしそうに我が子を抱きしめ、狂えないヴエコの頭を撫でるイルミューイ。
ワズキャンに生まれたばかりの子供を奪われ、奇声を発している様子を見ても、感情は残っているとわかります。
本当の願いを叶えるために穴の中央まで移動したイルミューイは、ヴエコと呼応してガンジャ隊の故郷となります。
イルミューイの胸に空いた欲望の揺籃の跡は大きく開いて、中に取り込んだものを成れ果てへと変えていきました。
最初にイルミューイに取り込まれて、成れ果てと変異したべラフについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事：メイドインアビスのべラフとは？イケメンの性別女説と最後死亡か解説
最終的に欲望の揺籃を使用したワズキャンまで取り込んだイルミューイの体内には、3つの卵が存在することになります。
3つの願いが託されたファプタについても解説していますので、あわせて読んでいただけますと幸いです。
関連記事：メイドインアビスのファプタとは？正体と目的やレグとの仲間関係を解説
イルミューイの正体といえる成れ果て村「イルぶる」については、こちらの記事をご覧ください。
関連記事：メイドインアビスの成れ果て村イルぶるとは？正体や価値と精算も解説
イルミューイとヴエコの関係は呼応する擬似親子？
闇の中で出会ったイルミューイとヴエコは、最も心を通わせる擬似親子関係を育みました。
イルミューイがヴエコに懐いていた理由は、実母と同じ匂いを持っていたからです。
代わりとかじゃない
引用先：漫画「メイドインアビス」8巻49話より ©️つくしあきひと/竹書房
ヴエコがいい…
代理ではなく、イルミューイが本当の母をヴエコに求めていたと分かります。
一方のヴエコも闇の中でイルミューイに温かさを見つけており、離れないと抱きしめ合って以降、朝になったら母親のように寝ている子供を起こすような素振りがあります。
ヴエコもイルミューイを子供と認識していたのか、回想シーンでは感情が一気に溢れ出たように文字が重ねられていました。
- 踏みにじられた
- かわいそうな
- かわいい
- わたしの
”わたしの”とヴエコが表現しているように、イルミューイが特別な存在だとわかります。
深いシンパシーを感じあっていた2人は、ヴエコが水もどき症状を発症すると、イルミューイも身体を弱らせており、以心伝心していました。
出産による身体の変異でイルミューイが先に弱っていたのか、ヴエコの症状に引き寄せられたのかは定かではありませんが、血縁にも似た擬似親子関係の絆によって呼応していたのでしょう。
そんな擬似親子関係の絆を利用して、ワズキャンは2つ目の欲望の揺籃をイルミューイに使っています。
イルミューイの願いやヴエコとの関係が、どのように欲望の揺籃へ影響を及ぼしたのか、次で考察してみました。
イルミューイの願いを考察
漫画「メイドインアビス」において、イルミューイの願いはなんだったのか明記されていません。
そこで本記事ではイルミューイの願いを考察し、3つの欲望の揺籃ごとに変わっていると捉えました。
イルミューイは最終的に3つの欲望の揺籃を取り込んでいますが、2つ目以降は他者の影響を受けていると感じられてなりません。
取り込んだ後の変化を振り返りながら、イルミューイ願いと欲望の揺籃への影響を考察していきましょう。
最初の願いは子供が産める身体？1つ目の欲望の揺籃
イルミューイの最初の願いは、子供が産める身体になりたいではないかと考えています。
赤子を見たヴエコが願いの形と表現していることから、イルミューイの願いそのものは子供が産める身体だと分かります。
実の家族から見放されたイルミューイは、ガンジャ隊の末の妹となり、母親のヴエコと擬似親子関係を築いたことで、新たな家庭を得ました。
しかしイルミューイが育った集落では、子供ができない身体は大穴による呪いのせいだと信じられており、自分自身に劣等感を感じていて当然です。
子供が産めない身体のせいで、次はガンジャ隊から追放されてしまうかもしれないと、失う恐怖に怯えていた可能性は十分考えられます。
まだ幼いイルミューイにとっては、寄生症状に侵されるよりも、家族を失う恐怖のほうが強かったのではないでしょうか？
1つ目の欲望の揺籃を使用後、ガンジャ隊の水もどき症状に変化はありませんが、イルミューイの身体は後遺症を残して回復しており、子供を産むに支障がない程度にとどまっていると分かります。
イルミューイの身体が人の形を残しながらも徐々に崩れていったのは、お産に備えた身体の変異であり、単為生殖によって自分の命を蝕んで分裂増殖していたのではないかと考えます。
お子様ランチで発覚した水もどき症状の治癒効果は、イルミューイの体内で作られた抗体かもしれませんね。
2つ目の願いは望郷？ヴエコに呼応した欲望の揺籃
イルミューイの2つ目の願いは、ヴエコに呼応して望郷を体現したのではないかと考えます。
2つ目の欲望の揺籃を使ったイルミューイについて、預言者のワズキャンはヴエコに呼応していると語っていました。
さらに漫画「メイドインアビス」10巻59話で、イルミューイの本当に欲しかったものは子供だけじゃなかったと悟るシーンでは、ヴエコに手を伸ばす姿が描かれています。
ヴエコの願いは暗闇の中の光でしたが、代わりにイルミューイという温かい闇を見つけていました。
しかし1つ目の欲望の揺籃を使ったイルミューイを見たヴエコは、得体の知れないものに願いを蝕まれ続けていると感じており、どんなに求めても得られない、もうどこにも存在しない得ないものへと変化しています。
温かな闇の変化にどうすることもできなかったヴエコは祈るばかりであったため、2つ目の揺籃の欲望を取り込んだイルミューイは望郷を体現するに至ったのではないでしょうか？
ワズキャンが本当の願いを見届けに行こうと言った先で、どんな黄金よりも価値のあるガンジャ隊の故郷となったイルミューイ。
イルミューイとヴエコの深い絆が、2つ目の欲望の揺籃に影響した可能性は非常に高いです。
作中におけるヴエコの望郷と、そのままの意味を持つ望郷が掛け合わさっているようで、作者の遊び心すら感じられますね。
ヴエコについての詳細は、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事：メイドインアビスのヴエコとは？過去のお世話係と死亡する最後を解説
3つ目の願いは継承？ワズキャンの取り込んだ欲望の揺籃
ワズキャンの取り込んだ欲望の揺籃の影響を受けたイルミューイは、必然的に3つ目の願いが”継承”になったのではないかと考えます。
やるだけやるワズキャンは、継承によってヒト以上のものに昇華し、冒険したいとの願いを持っていたと考えられ、成体には不向きな欲望の揺籃を自分自身に取り込んで失敗しています。
しかしイルミューイが取り込んだために、ワズキャンの願いを含んだ3つ目の欲望の揺籃は願いが合わさり、ファプタの誕生に至ったのではないかと考えました。
ワズキャンはお日様の匂いがして、ファプタは日なたの匂いがすると作中で表現されていたのは、作中で暗に関係性を仄めかしていたのかもしれません。
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イルミューイの願い考察まとめ
本記事は漫画「メイドインアビス」に登場したイルミューイの願いとは、いったい何だったのか徹底考察しました。
イルミューイの願いは3つの欲望の揺籃ごとに異なり、他者の影響を受けていると考えています。
- 子供が産める身体
- 望郷(ヴエコに呼応)
- 継承(ワズキャンの取り込み)
過去回想にてイルミューイは、子供ができない身体で大穴に追放されていたと判明しており、暮らしていた集落の間では呪われていると迫害されていました。
しかし1つ目の欲望の揺籃によって、イルミューイは赤ちゃんを出産。
2つ目の欲望の揺籃には、呼応するヴエコとの擬似親子関係が影響していると考えられ、どんな黄金よりも価値のあるガンジャ隊の故郷となったイルミューイ。
最終的にワズキャンを取り込むことで3つの願いが合計され、ファプタが誕生しています。
可愛い容姿をしたイルミューイの面影は残っておらず、願いを踏み躙られたイルミューイの迎えた顛末は、かわいそうに受け取れるシーンも多々ありましたが、願いは引き継がれ、少しでも幸があって欲しいと願います。
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